2012年5月28日月曜日

シャーロックホームズ シャドウゲーム




原題:Sherlock Holmes: A Game of Shadows
コピー:「もう一人の天才、現わる」


みんなのレビュー
好意的な意見
  • アクションシーン素晴らしい
  • ガイリッチーお得意のクイック&スローの使い方が最高
  • 森の戦闘シーン
  • ホームズ×モリアーティの天才同士の闘い
  • ホームズの女装
  • 今風のギャグが笑える
  • r.d.jとジュードロウの掛け合いが最高.このシリーズはこの二人あっての作品
  • 男くささ!
  • 時代感?(衣装とかセットとか)と疾走感が最高
  • 原作好きの意見
    • シャーロックホームズは推理ではなく、冒険ありき!
    • キャラクター描写が秀逸(ホームズの不安定っぷり,ホームズの兄マイクロフトの軽妙さ,とか)
    • 原作の良いところを目いっぱい詰め込んだスピーディーな展開で飽きない

評価の低い人の意見

  • 続編なのでスケール感をUPするために各地を転々とする…場面転換多い?詰め込みすぎ?
  • 展開早くて疲れる
  • 新ヒロインがあまり目立たない
  • 前作より推理場面少ない
  • 推理を期待せずアクションとしてみれば良い
  • 原作重視
    • キャラクターの描写に違和感
    • ストーリーも原作と違う
    • 「ホームズ」として観なければ面白い
  • アクションのおしゃれな演出が好きになれない
  • 大味すぎ

みんなのレビュー[分析]

  • 原作との関係
原作ファンっぽい人のレビューは
「原作と違うから嫌!」
「思ってたのとなんか違うけど斬新な解釈として見ればこれはこれで良いかも」
「原作は推理よりむしろ冒険が見どころ.原作の良いところが詰まっている」
という意見に分かれた

  • 「アクション映画」としての観方
ガイリッチー特有の演出を「かっけー!」と思えるか「なんやこれ…」と思っちゃうか

  • 展開の早さ
推理とアクションが入り混じるスピーディーな展開について行けない人
逆にテンポの良さに満足する人


論 評

 ガイ・リッチーによるシャーロック・ホームズシリーズ2作目にあたる本作は上記の通り賛否両論と言えるだろう.1作目に関しては大方,賛同されていたので,やはり1作目の新鮮さを抜きにした評価が出た感じだろうか.ここからは私的な論評であることを先に断っておく.
 

 さて,僕が本作を観た時に率直に感心したのはガイ・リッチーの映画の本作の作り方である.上記のレビューでは原作との比較や,キャラクターに関しての描写に不満を持つ声が多かった.しかしながら,僕の捉え方としては,その意見を認めながらもやはりガイ・リッチーの映画の作り方への賛辞が出てくる.過去に原作を持つ映画はやはり常にその原作のキャラクターに合うキャスティングが重要とされていた.原作の持つ世界観に合うキャスト,セット,脚本で撮ることが重要だったのである.この点において僕は常々思っていたことがある.それはとことん原作に忠実に映画を作るなら,映画にする必要ってむしろないんじゃないか.つまり,そこまで忠実さを重んじるなら,そもそも原作を楽しめばいいだろうと思っていた.そんな疑問をすっきり払拭してくれたのがガイ・リッチーの本シリーズである.
 
 本作の,僕が素晴らしいと思う点は,キャラクターにキャスティングを合わせるのではなく,むしろその逆であることだ.本シリーズはロバート・ダウニー・ジュニアとジュード・ロウという役者にシャーロック・ホームズの設定を合わせただけだと捉えられる.世界観そのものはシャーロック・ホームズの世界ではなくガイ・リッチーの世界と言えるものだったし,とことんガイ・リッチー流にこだわっていた.僕はガイ・リッチーのこういうこだわりがすごく好きだ.僕に限らず,恐らくガイ・リッチー班のスタッフもロバート・ダウニー・ジュニア,ジュード・ロウといった役者もみんなガイ・リッチーの世界観が好きに違いない.だからこそ無理に原作のキャラクターになろうとした演技をして映画として破綻していない.自然にガイ・リッチーという舞台上でシャーロック・ホームズの設定で映画を作った,その映画を作るという映画人達のの楽しみが垣間見えたのではないだろうか.僕はそういうところを純粋に映画好きとして楽しみ,十分満足だった.
 
 イギリスで放映されているテレビのトークショーでロバート・ダウニー・ジュニアとジュード・ロウがゲスト出演した時に,シャーロック・ホームズ撮影のエピソードトークの様子や二人の”いちゃつき”っぷりから観客や司会者から一斉に「二人ってゲイなの?」という茶化しが入ったのを観て,あぁきっと納得いくいい映画を楽しく作れたんだろうなと僕は思った.
 今後もシリーズとして続いて欲しいし,やっぱりイギリスっていいなぁと再確認できた映画でした.

当てはまるジャンル -強い要素の順に

アクション,コメディ,ミステリー,ファンタジー,スペクタクル,ラブロマンス

この作品に含まれる要素

  • 原作あり
  • あふれる疾走感
  • 男くさい
  • 推理&冒険
  • 天才vs天才
  • 近代イギリスの雰囲気
  • 変な主人公
  • The ガイ・リッチー
  • 銃撃戦がかっこいい

イラスト


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