2012年6月6日水曜日

(500)日のサマー




原題:(500) Days of Summer
コピー:「運命の恋なんて、あるに決まってる。」

みんなのレビュー
好意的な意見
  • 時間軸をバラバラにした演出が面白い
  • 男女の恋愛観が見事に表現されている
  • 感情が映像や曲で表現されていて素晴らしい
  • トムのキャラクターの描かれ方や設定が秀逸で自己投影しやすい
  • キャスト陣が魅力的で話に惹きこまれる
  • ズーイーデシャネル可愛い
  • 音楽や衣装などにちょっとしたパロディやギャグがこめられていて面白い
  • 衣装がかわいい
  • 後味の良いラスト

評価の低い人の意見

  • 主人公に共感できなくて入り込めなかった
  • 主人公にイライラする
  • 時間軸がバラバラなので整理が難しかった
  • 時系列の組み換えの効果があまり感じられない
  • 目新しいのは時系列の組み換えやミュージカル風の演出などでそれ以外はありきたり

みんなのレビュー[分析]


  • 演出について
    • 時系列を組み替えた演出は効果的
    • 時系列を戻したらいたって普通の話
  • 主人公のキャラクターについて
    • 現実のどこかで見たような,自分が経験したような男女の恋愛がリアルに描かれていてすごく共感できる
    • そもそも共感できない
    • 自己投影しすぎてイライラする


論 評

 本作は洋楽(アメリカ)シーンで数々のミュージックビデオを手がけてきたマーク・ウェブの長編映画初監督作である.脚本を書いた人の実体験に基づいているらしい. 批評家からは大絶賛だったようだ.
 さて,本作品を鑑賞した感想としては,実際にこんな女性がいたら困るなという感じである.世の女性はこのサマーというキャラクターに共感できてしまうのだろうか.できてしまったら大変だなと思う.レビューでは恐らくサマーのことを言ってるのだろうが,イライラする的な感想がちらほら出ている.実際,僕もそれなりにイラリアしてしまったりもした.ということで役者の演技を褒めるべきだろうと思う.サマーを演じたズーイ・デシャネルは本作で演じたちょっと変わった価値観を持った,いわゆる変な女の子を演じるのが非常に上手だなと思う.彼女が気になった人はジム・キャリーが主演した「イエスマン”YES”は人生のパスワード」も是非観てみるといい.
 さて,本作の楽しみ方だが,やはりミュージックビデオ出身の監督とあって,音楽と映像の組み合わせは中々素晴らしい.いつも思うのだが,ミュージックビデオとかやる人は映像をあくまで音楽を引き立てるためのツールとして扱うのが非常にうまい.例えば,主人公が床にボールをどんどん当てて,考えこむシーンがあるのだが,そこではすごく自然な流れでwolfmotherのvagabondが流れる.こういうアクションとかクライムではない,ある意味世界観(雰囲気)を醸し出そうとする映画の中で歌が入っている音楽を使うのはとても難しいように思える.世界観を大事にする人は既存の歌入りの音楽はほとんど使わないだろうし,ミュージカル映画というそれ専用のジャンルがあるため,ほとんどの場合は避けている気がする.その点,本作品はむしろ逆で,積極的に既存の音楽を取り入れ,うまく雰囲気を出していたかなと思う.
 よって本作品は恋愛映画として観ると失敗する.本作品はあくまで恋愛を軸にしたミュージックビデオである.映画にするため恋愛というストーリーを持ち込んだ,ミュージックビデオ.ストーリーやキャラクターを調味料程度と捉えて,あくまで料理の盛り付けを楽しむイメージ,つまり雰囲気を楽しむべきだと思う.そういう意味で男性も女性も楽しめる映画なのかなと思った.


使われていた曲リスト (サントラから抜粋)

1. Story of Boy Meets Girl
2. Us - Regina Spektor
3. There Is a Light That Never Goes Out
4. Bad Kids
5. Please, Please, Please, Let Me Get What I Want
6. There Goes the Fear
7. You Make My Dreams - Hall & Oates
8. Sweet Disposition - The Temper Trap
9. Quelqu'un M'A Dit - Carla Bruni
10. Mushaboom
11. Hero - Regina Spektor
12. Bookends - Simon & Garfunkel
13. Vagabond - Wolfmother
14. She's Got You High
15. Here Comes Your Man - Meaghan Smith
16. Please, Please, Please, Let Me Get What I Want - She & Him

当てはまるジャンル -強い要素の順に

ラブロマンス,青春,ミュージカル,ファンタジー

この作品に含まれる要素

  • 男と女
  • ロサンゼルスの風景
  • 映像×音楽
  • 60年代の名曲
  • 成就しない恋

イラスト


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