原題:Big Fish
コピー:「人生なんて、まるでお伽話。」
コピー:「人生なんて、まるでお伽話。」
みんなのレビュー
-好意的な意見- 不思議さと可愛らしさに満ちあふれた父エドワードの語るエピソードと次々と展開してゆく美しい映像に惹きこまれる
- 父と子の関係という日常的で普遍的なテーマであるが故共感しやすい
- 人を信頼する心や人を楽しい気持ちにさせる心構えの素晴らしさを教えてもらった
- ラストに繋がるストーリーと登場人物たちが愛おしい
- ファンタジー風だがファンタジーになりすぎていないのでファンタジー映画が苦手でも楽しめる
- 若き日の父を演じたユアンマクレガーの演技が良かった
- 配役が作品の雰囲気にぴったりだった
-評価の低い人の意見
- 現実と夢想の境界があいまいで想像力を使いながら観るのが疲れる
- ところどころしらけるシーンがある
- 父親のキャラクターとエピソードに共感できない.ただのほら吹き
- ファンタジーものとも親子ものともつかない中途半端な作品で好きになれない
- 現実離れしたエピソードについてゆけず感情移入できなかった
- テンポが悪く退屈
みんなのレビュー[分析]
- 父の語るエピソードについて
- 魅力的なエピソードと登場人物が愛おしい
- 現実と夢想の境界があいまいでよくわからない
- 父のキャラクターについて
- 人を楽しい気持ちにしようとする心構えが伝わってきてその大事さを教えてもらった
- ただのほら吹きで共感できない
論 評
本作はその独自色とジョニー・デップとのコンビで知られるティム・バートン監督の作品である.父と子の関係を軸に展開しており,どうやら自身の物語ともとれるようだ.ティム・バートンのそのアレンジ力には驚嘆せざるを得ない.近年ではスウィーニー・トッド,アリス・イン・ワンダーランド等の作品でティム・バートンの高いアレンジ性を存分に楽しむことができる.本作含めいずれも原作は非常にポピュラーな作品であるが,ティム・バートン流のアレンジで十分映画として楽しむことができるだろう.
近年の傾向と比較すると,本作品はシリアス色が非常に強い方である.もちろん,どの作品も深く読みこめば,シリアスなドラマを含むのがティム・バートンではあるが,本作ほど分かりやすいテーマを扱ったのは今となってはめずらしいと言えるだろう.
本作は非常に色んな要素に富んでいると思う.ポイントとなるのは父と子の絆という重いテーマを軸にしているが,それを下手に重要な要素として扱うのではなく,見せ玉として意識に留める程度に扱い,あくまでメインで見させられるところは非常にゆるくファンタジックに作られたショートストーリの集合を扱っているという点だと思う.
実際,シリアスなドラマというストーリーに重きを置いてはホラ話をファンタジックに扱うと違和感になるし,逆に映像,衣装等でファンタジーさを追求してしまうと今度は父と子の確執という主題のチョイスがあまりにナンセンスになってしまう.この点において,本作は非常にバランス感覚に優れていると言えるだろう.
また評価が低いレビューでテンポの悪さや構成の複雑さが指摘されているが,僕はこの微妙なテンポであったり,構成の複雑さがなかった場合はあまりにストレートな作品になりすぎて本作品が持つ独特の不思議さがうまく引き出されないのではないかと思っている.むしろ見ていて酔ったという感じが出るくらい映像とストーリーの折り合いを感じられる程度がちょうどいいくらいではなかろうか.
さて,ここまで書いて色々感想を考えてみたが,実際には非常にシンプルな青春映画だと思う.真っ直ぐな優しい主人公が多くの人を助けて,皆が幸せになり,最後にはみんなが主人公のために行動する.少年誌に出てくるような単純な純粋さとシリアスなテーマでファンタジーを描くという複雑さ,この相反するような要素が織り成す世界観を是非楽しんで欲しいと思う.
当てはまるジャンル -強い要素の順に
ファンタジー,ドラマ,ラブロマンス,青春,コメディこの作品に含まれる要素
- 父と子の物語
- ヘンテコなキャラクターたち
- ドラマで魅せる
- ロードムービー
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